真菌の毒素は二次代謝産物であり、特定の条件下で選択的優位性をもたらすと考えられている。

このセクションでは、グリオトキシンを中心にエピポリチオジオキソピペラジン(ETP)について述べる。 ETP真菌毒素のクラスはレビューされているので、詳細はこのレビューを参照されたい(Gardiner et al, 2005)。

ETPは多種多様な真菌、例えばアスペルギルス属、ケトミウム属、ペニシリウム属などによって産生される。 しかし、Aspergillus fumigatusが産生するグリオトキシンは、Aspergillus fumigatusの病原性因子と考えられており、またアスペルギルス症に罹患したがん患者の血清中に存在することから、広く注目されている(Sugui et al, 2007; Sugui et al, 2007; Bok et al, 2006)。

グリオトキシンは、侵襲性アスペルギルス症のマウスの肺組織や血清、がん患者の血清から検出されている(Lewis et al, 2005a)。 がん患者から分離されたアスペルギルス属のうち、グリオトキシンを産生する割合は、フミガータス(93%)、ニガー(75%)、テレウス(25%)、フラバス(4%)であった。 (Lewis et al, 2005b)。 しかし、欧州の患者から分離されたA. fumigatusのうち、グリオトキシンを産生するのはわずか18%であり、A. flavus分離株の23%はアフラトキシンB1を産生した(Kosalec and Pepeljnjak, 2005)。 この2つの報告の違いは、培地や温度におけるA. fumigatusの菌株の違いに起因すると考えられる(Kosalec et al, 2005)。

グリオトキシンの病態生物学は多面的である(Kwon-Chung and Sugui, 2009)。以下はその例である:1)環内のS-S基はタンパク質のシステイン残基と付加体を形成する。2)S-S基は容易に酸化還元サイクルを経て活性酸素種(ROS)を産生する;NF-kB転写因子を阻害し、炎症反応とサイトカイン産生を抑制する;4)ミトコンドリア指向性のアポトーシスを引き起こす;5)コルチコステロイドで治療された臓器移植患者において、PM媒介性炎症を誘発する。そして6)このマイコトキシンはおそらく健常人の好中球の正常な機能を阻害する。

最後に、グリオトキシンは酵母のカンジダ・アルビカンスによって生成されると考えられていた。 しかし、この観察には最近疑問が呈されている(Kupfahl et al 2007)。

結論として、数種のアスペルギルスやその他の真菌類、そしておそらく酵母が、in vitroとin vivoの両方でグリオトキシンを産生した。 このマイコトキシンは多面的な毒性を持つため、もっと注目されるべきである。

参考文献
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